たくさんある革の種類【まとめ】 その5 <革の仕上げについて 後編> 革のまめ知識 2018年5月25日2018年9月13日 by chie kawasaki 前編までは、「染料」と「顔料」の違い、中編では、仕上げの種類をご紹介いたしました。 仕上げの種類はまだまだたくさん! 引き続き、「革の仕上げ」について解説します。 さまざまな仕上げの種類 (11)オイルレザー(ワックス) オイルをたっぷり浸み込ませた加工法。エイジング(経年変化)の効果も高く、水に強いのも特徴です。 使い込むほどに色が濃くなって、奥深い光沢感を出していきます。アウトドアブーツなどに使われます。 (12)ウォッシュ加工 字のごとく、革を水洗いする加工法。洗い方や絞り方によって違う表情になります。あえてヨレたシワは、革を丸ごと水洗いして絞ることで表現されます。 革にはあらかじめ、硬化や収縮を防ぐ薬品をしっかり浸透させてから水洗いします。 またドラムに水と軽石を入れて回し、表面にアタリとムラを出す“ストーンウォッシュ”も代表的な加工法です。 (13)クラック加工 あえて革を痛めて、ひび割れするのを楽しむ加工法です。 革の表面に顔料を厚く塗ったあとに、引き伸ばす、揉む、ひっかくなどして顔料にヒビを入れていきます。他にも、乾くとパリパリになる薬品を塗ってからタワシでこするなど、職人によって様々な道具が駆使され、ユニークな表情を作ります。 (14)パンチング加工 円形、三角形、四角形などの細かい連続穴をあける加工。表面を網目のようなパターンで覆い、軽くてさわやかな春夏向きの表情になるのが特徴です。 革ひもを編んだレザーメッシュの代用として開発されたという経緯があるそうです。 (15)プリント加工 顔料を使って革の表面にプリントしたもの。最近では、革製品とは思えないようなカラフルな柄が入ったものから、味付けとしてシンプルに入ったものまで、かなり自由度が高い加工方法です。 革に写真を転写する「インクジェットプリント」もできるようになり、バリエーションが広がっています。 (16)焼き加工 決して火を使うわけではなく、タンニンなめしの革の特徴を活かした加工法です。 なめした後に、染料を塗って乾かす際に、絞る過程のシワを残します。そのクタッとした素材にワックスを擦り込み、高速ブラシでバフィングするとアタリ傷がつきます。この傷が焼け跡の“焦げ目”に似ていることから「焼き加工」と呼ばれています。 以上が「革の仕上げの種類」でした。とはいえ、実はまだまだ紹介できていないものもあります。最近では技術の発達や、ハイテク素材の導入で、いままでにない新しい加工法も生まれています。また改めてご紹介しますね。 ご覧のように、加工ひとつとっても“膨大な人の手”がかかるのがレザーの面白さ。“天然皮革”の製品と向き合い誠実に作り続けていくのが、KAWANOWAのメンバーです。これからも“大人が楽しめる革アイテム”を作り続けて参ります。 ~~~~ ◆参考資料 日本皮革産業連合会 http://www.jlia.or.jp/ ━━━ KAWANOWAは、「革とオトナのいい関係」を作っていくサイトです。 革についての、知られざる知識あれこれをこれからもお伝えしていきます。 また次回もお楽しみに。 文責:CHIENOWAコミュニケーション 川崎