お買い上げ頂いたバッグを、長くたいせつに使うために 革のまめ知識 2016年7月29日2018年9月13日 by chie kawasaki KAWANOWAをご覧くださり、ありがとうございます。 ひとつひとつ、職人たちが想いをこめて手作りしているものですので、ぜひみなさまには長くたいせつに使っていただければ嬉しい限りです。革のケアは初心者には難しくて面倒なのでは?とつい敬遠しがちですが、実は誰でも簡単にできてしまいます。 特に女性にとって、革バッグのお手入れは“お肌のお手入れ”と同じ感覚でできるので、きっと馴染み深いはず。ケアを積み重ねながら、少しづつ革が変化していく様をぜひ楽しんでください。 「革のケア」その2はこちら ケアに関する予備知識 革はそもそも、私たちが食する肉類の“副産物”として産出されたものです。 原皮から様々な「なめし工程」を経て、「皮」から「革」へと生まれ変わります。 もとは草を食んでいた牛や豚ですので、生きていた時のキズやシミ、虫刺されの跡などは、天然素材である証です。(Growth Markと呼びます) ケアの仕方も、実は革によって千差万別ですが、ごく基本的な「牛革スムース」のケア方法をお伝えします。 ※エナメル、爬虫類、ヌメ革などのデリケートなレザーは、専用品をお使いになることをお勧めします。 1.使う前に、まずビフォア・ケアを 防水スプレーはだいたい20cm~25cm離して使うと全体にムラなく吹きかけられます。 革は買った時のままだと、傷つきやすい状態です。まずは使う前に、「防水スプレー」をかけてください。 そうするだけで革の表面に一枚膜ができ、汚れなどからデリケートな革を守ります。 無色透明な「デリケートクリーム」などを薄く塗るのも効果的です。 2.日々のお手入れは 上から下に汚れをかき出すようにブラッシングします。 バッグは靴と違って、泥はねや水濡れなどは比較的少ないため、あまり神経質にならなくても大丈夫。 日々のお手入れは、毛足が長く柔らかい「馬毛のブラシ」でブラッシングするだけでも十分効果的です。 起毛した革だけでなく、スムース革にもブラッシングするとツヤが出て効果的です。 3.一か月に一度、しっかりケアを 適量を布ですくってご利用ください。 使っていくうちに少しづつ、埃や汚れがついてくる頃。清潔さと適度なケアが必要なので、1~2ヶ月に1回程度のペースで行いましょう。 女性に馴染み深い“お肌のお手入れ”と同じ感覚と思って頂けると良いと思います。「クレンジング」→「保湿」の順に革もケアをしてください。 コロンブス社の「レザークリーン」は、フォーム状の使いやすい汚れ落とし剤です。最初にブラシで埃を落としてから、布で拭くだけで汚れ落としとケアが出来ます。フォーム剤を布に少し取って、全体的に磨き上げてください。 よく聞かれる質問ですが、バッグのお手入れに手持ちの「靴クリーム」を使うのはNGです。靴クリームには染料や独特の匂いがついているので、服に密着させることの多いバッグには向いていません。 お手入れ用クリームは、透明であること、匂いの付いていないことがポイントです。 4.うっかりカビてしまったら カビだけでなく、ウィルスにも効くとか 大切にしまっておいたのに、うっかりカビさせてしまうことも革のバッグはありますよね。 そんな時は専用の「カビ取りスプレー」を使います。 カビ菌を取り去って、その後もカビを生えにくくします。カビふき取りに使った布は一度で捨ててしまってください。菌が付着しているものを再度使用するとまた生えてきてしまうので要注意。 最近ではカビは外ではなく“内側”に生えることが多いので、あらかじめ内側にスプレーしておくこともオススメです。バッグの中にゴミや食べ物のクズなどがあるとカビが生えやすいので、時々バッグの中を「掃除機」で吸い取ってあげると良いでしょう。 5.雨に濡れてしまったら 夏のゲリラ豪雨や台風など、突発的な雨が増えてきた昨今。思いがけずバッグが濡れてしまったという方も多いのでは。 まず、なるべく早くタオルなどで表面の水分をふき取ります。 とはいえ慌ててドライヤーなどで乾かそうとするのはNG。急激な乾燥は革から水分が抜け、型崩れの原因にもなります。中の荷物を出したら、大きめな「洗濯ネット」を用意して、その中に新聞紙を丸め、これをバッグの中に詰めておきます。 そのまま入れると新聞紙のインクがついてしまうこともあるので、洗濯ネットがぴったり。慌てずゆっくり乾かすことがポイント。 今回取材にご協力いただいた(株)コロンブスのお手入れスペシャリスト 革バッグや革小物は、買ったときはまだ“半完成品”だと言われています。 ご自身でケアをしながら使って頂くことで、徐々に経年変化することで味わいが生まれ、ご自身が“育ててゆく”質感をお楽しみ頂けます。 ぜひ、KAWANOWAでご自身のライフスタイルに合った逸品と出会ってくださいね。 取材協力:(株)コロンブス