【新連載:革製品の歴史】その3 ハンドバッグは紀元前9世紀生まれ!?

革のまめ知識

みなさんこんにちは、KAWANOWAです。

カバンやバッグなど革製品の歴史をひもとく連載、第3回目です。前回はこちら
参考写真は、「袋物参考館」からお借りしています。

今回はハンドバッグについて。“モノを入れる”というプリミティブなアイテムは、本当に太古の昔からあったようです。

アッシリアがハンドバッグのルーツ

ハンドバッグの歴史は、紀元前9世紀にまでさかのぼるとか。当時、現在のイラク北部に当たる「メソポタミア地方」では、アッシリアという国が栄えていました。

そこで作られた、翼をもつ神像が、今のハンドバッグにそっくりのものを持っていることがわかりました。それをハンドバッグのルーツとする説が有力です。

そしてぐっと時代が下って、中世のヨーロッパでは、現代のポシェットにそっくりのバッグが登場。

当時のポシェットにはひもがついていて、それを腰のベルトに結び付けて使っており、「オモニエール」と呼ばれていました。
19世紀にはこのような繊細な細工がなされたバッグも流行し、貴族たちがオペラを見に行く際にオペラグラスを入れるための「オペラバッグ」も広がりました。

「オフクロ」のルーツとは?

一方日本では、鎌倉時代から室町時代にかけて、一家の主婦が財産の管理をするのが一般的だったとか。

財産を「袋」に入れて管理していたことから、一家の中心となる女性を「オフクロサマ」と呼んでいたそうです。それが「オフクロ」の語源とする説があります。

また江戸時代から始まり大正期まで用いられた「箱迫(はこせこ)」。懐中物と呼ばれる、着物の帯の内側に入れる袋物も女性たちの間で人気となったといわれています。

明治時代になると、洋装の普及とともに手提げ型の袋物が輸入されるようになりました。そして明治時代の終わりごろには日本でも、ハンドバッグの原型ともいえる「オペラバッグ」が、ヨーロッパからやってきました。

こちらは1930年代のイギリス製のオペラバッグ

当時は「西洋風手提げ袋」と称されたそうで、ハンドバッグが女性たちの間で一般的な流行になったのは、大正の終わりから昭和のはじめにかけてのこと。

そして革素材の使用、ビニール製品の開発などを経て、ハンドバッグのバリエーションは加速度的に増えていきました。
今見ても、当時のデザインはレトロで魅力的ですね。

昭和30年代前半のハンドバッグ

以上がハンドバッグの歴史でした。次回は革小物の歴史を紐解きます。

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参照:「鞄・ハンドバッグ・小物の基礎知識」(日本皮革産業連合会発刊)より

 

 

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