「KAWANOWA」な人たち Vol.5前編 『有限会社野村製作所 代表取締役 野村俊一氏 インタビュー』 「自由でのびのびした環境から生まれる、ユニークな革小物たち」

KAWANOWAな人たち

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穏やかな話し方が印象的、有限会社野村製作所 代表取締役 野村俊一氏
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遊び心を忘れないモノづくりの姿勢

本社にお邪魔させていただくと、インタビューは「一緒にハゼ釣りに行きませんか?」というお誘いの言葉から始まりました。野村社長は業界内でも有名な釣り好き。メーカー同士の釣り仲間のつながりも強く、四季を通じてあちこちの海へと釣りに出かけているとのことでした。

遊び心を大切にする会社は、モノづくりでもそんな気持ちを忘れません。「KAWANOWA」でも人気が高い、可愛らしいフォルムのペンケース「意外に実用的なくじら」。手のひらに乗る、程良い大きさと、色鮮やかなバリエーション。ここに至るまでには四型ほどの試作を経て作られています。実際に使って貰える“くじら”を世に出したいという気持ちが伝わってきます。

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くじらの試作品。口の中がコインケースになっています。

意外に実用的なくじら

子ブタのポーチ、なまずのペンケースなど、職人さんたちの手先の器用さが表現されたアイテムが続々と登場しました。それだけでも可愛らしく思わず欲しくなってしまいます。

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旧「くじら」はファスナーの引き手が魚の形。(写真左)「なまず」にはザリガニが!(写真右)

自由闊達でのびのびした社風

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革でできたポスト。

更に「うちの親方が作ったんです」といって出して下さったのが、革で出来たポスト、ウルトラマンに出てくるカネゴンなど、「これがホントに革製?」と見紛うほどの精巧さで作られた一点ものの数々でした。商品化はされていないとのことですが、工芸品としても通用するのではないかというほどの素晴らしい作り。さすがの技術力、と目を見張りました。

ポットだって革製です。

野村製作所の社内では20代から70代まで現在8名の職人さんが働いています。事務所と続きの部屋にサンプル作製室があり、依頼されてから社内で形にできる環境が整っています。片や、親方が手隙の時にワクワクする新しいものを作り出している、なんとも柔軟な環境です。

「社長はほとんど“ダメ”と言うことがないんです。逆に“好きにやっていいよ”と言ってくれるので色々チャレンジ出来ます。」とはスタッフの弁です。自由闊達で伸び伸びした環境の中だからこそ、ユニークな商品が出来るのだと実感しました。

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サンプル作製室、ここから新しい商品が生まれていきます。

オリジナル製品はカラーバリエーションが魅力

野村社長は現在4代目。現在の有限会社になったのは昭和26年ですが、大正12年に初代が浅草に、前身の野村商店を構えたことが始まりとのこと。もとは喫煙具作りをしていたので、ハンドバッグよりもずっと歴史が古いと言われています。

大手アパレルブランドとの繋がりが強く、アイテムは財布、パスケース、キーケース、名刺入れといった革小物全般のOEM(相手先ブランドによる生産)を長く手掛けています。「Your Creative Crew」のキャッチフレーズの元、依頼されてから生産まで相手の要望を聞きだし、マニュアル一辺倒ではないきっちりした対応を心掛けています。

ここ最近は、オリジナル製品作りが少しづつ増えています。年10か所程大手百貨店に社員が立たせて頂く催事に参加し、圧倒的な商品量とカラーバリエーションで、老若男女問わず足を止めて頂いているそうです。

ウォレットポーチ

 

このあと公開の後編では、催事イベントでのお話や、今後の展望について伺った内容をお伝えします。KAWANOWAは、得意ジャンルもテイストも違ったメイドインジャパンのバッグメーカーが集まったサイトです。
バッグのご紹介に限らず、様々な情報や職人さんの横顔などもお伝えしてまいります。

それでは、次回もお楽しみに。

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