「KAWANOWA」な人たち Vol.6後編 株式会社ラモーダヨシダ 代表取締役 吉田昌充氏 インタビュー 「“財布作り”のパイオニアとして、誇りを持って仕事をしたい」

KAWANOWAな人たち
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地下フロアの直営ショップ。素敵なお財布がたくさん並んでいます。
前編はこちら

直営ショップには「見て触れるゾーン」も

5年前にオープンした東上野本社の地下フロアには、ラモーダヨシダの財布のラインナップが一同に見られる直営ショップがあります。
ヌメ革の手触りが人気の「mic(ミック)」や、直営ショップ限定品でもあるレディスの「micsucco(ミクスコ)」など。財布の専門店というのは全国でも珍しいため、わざわざ探して来店されるお客様も少なくないそうです。

ガラス越しには、財布職人さんたちが実際に働く姿を拝見することができるのも、ここの魅力のひとつと言えます。

そして注目は、職人の手仕事や革の魅力に触れられる“大人の社会科見学”ゾーン。実際に使われる財布の「型紙」、革の「漉き(すき)」、革の縁に線を入れる「ネン引き」といった様々な技術を、実際の革に触れながら体験することができるもの。
一般のユーザーだけでなく、若手職人や販売に携わるスタッフなどにも大変参考になると好評です。
裁断する前の大判の革をそのままダイナミックに展示してあったり、昔ながらの貴重な資料なども揃っているので、財布好き、革好きの人にとっては見ているだけでワクワクする空間と言えるでしょう。

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どんなふうに商品が作られていくのか、過程を知ることが出来てワクワクします。

財布は“ミクロコスモス”

ラモーダヨシダの営業である根本さんに、このショップに関するお話を伺いました。

株式会社ラモーダヨシダ 営業 根本由香理氏

「財布の作りのイロハを、一から十まで学べるコーナーは他にはないと思います。小さなパーツを重ねたり、見えない部分の革の処理など、財布は“ミクロコスモス”と言われるほど、細かな技術が結集した世界と言えます。 ただ単に、“お札とコインとカードが入ればいい”ということではなく、折れ曲がる時の屈曲度や、カード段の取り出しやすさなど、コンマ数ミリについて思い悩み、工夫して作っていることをみなさんにも感じてほしいですね。」

直営ショップは、他にも吉祥寺や自由が丘など、計5店舗を構えています。特に秋葉原と御徒町間の高架下にオープンした「2k540(ニケーゴーヨンマル)」という、ものづくりのアトリエと直営ショップが集まった商業施設内では、メンズ、レディス財布ともに大変人気のあるショップです。

ナチュラルなテイストを中心とし、男女のギフト需要としても活用できる、見ていてワクワクするような売り場は意外と少ないもの。動物の革の種類(牛、山羊、コードバン等)によっても、財布の使用感が異なるという事を知る機会は、実はなかなかないのではないでしょうか。

最近吉田社長が開発した新しい財布は、なんとカンガルー革。よく野球のスパイクシューズなどに使われている、軽量感が持ち味の革ですが、財布に使われているのを見たのは初めてでした。実は薄く漉いても丈夫であり、きれいなツヤも出ています。ラモーダヨシダの新定番になる日も近いかもしれません。

財布職人には女性が向いている?!

“財布作りとは当たり前のことの積み重ね”という言葉を何度も使われる吉田社長。凡人は見過ごしてしまうような些末な作業もないがしろにせず、当たり前を繰り返す重要性を説いておられました。

「0.1ミリ狂ったらもうダメという厳しい世界なんです。この“ちょっとの差”で売れたり売れなかったりするので、正確さにはこだわっていますね。少しでも手を抜くと、“やっぱり売れなかったか”と実感するんです。
そしてこの仕事は、コツコツタイプの方が向いていると思います。業界には意外と、女性の職人さんが多いんですよ。」と笑う吉田社長。

男性女性関わらず、新しいことにチャレンジをしていこうとする人には常にチャンスを与えるのがここの社風とのこと。最近では新卒社員も定期採用するようになり若い人たちが社内に増えたことで、新しい風が吹き始めているとのことでした。

◆株式会社 ラモーダヨシダ
東京都台東区東上野1-3-3
03-5816-1811
http://www.lmy.co.jp/
ラモーダヨシダの商品はこちら

「KAWANOWA」では、この春からお財布コーナーが充実してきました。
「春財布」ということで、新しい財布を新調すると今年1年金運に恵まれるとのこと。吉田社長のお話しによると、昔の人は「七福神の七色財布」といって、七色が使われた財布を買っていたという時代もあったそうです。確かに今でも、縫い糸が七色というものを見たことがありますね。そんな背景があったとは知りませんでした。さて、これまでに革小物が得意なメーカーを何社かインタビューしてきましたが、「ラモーダヨシダ」、 「パーリィー」、「野村製作所」といった企業は、それぞれに得意ジャンルが違い、職人たちの腕も違います。
だからこそ、お互いに切磋琢磨しあって生み出してきたアイテムは、それぞれ違って、そして面白い。そんなラインナップを揃えたのが「KAWANOWA」のサイトなのです。

バッグだけのご紹介に限らず、様々な情報や職人さんの横顔などもお伝えしてまいります。
それでは、次回もお楽しみに。

CHIEnoWAコミュニケーション 川崎智枝