「KAWANOWA」な人たち Vol.1『有限会社清川商店 代表取締役 松村由美氏 インタビュー』 KAWANOWAな人たち 2016年7月28日2018年9月13日 by chie kawasaki 代表取締役の松村さん おすすめのバッグは、とあるドラマにも使われた大容量トートバッグ フォーマルバッグから、カジュアルなバッグへの転換 都営浅草線の本所吾妻橋から徒歩3分。 見上げると東京スカイツリーがそびえ立つ、墨田区吾妻橋でハンドバッグを作り続けて50年あまりという、有限会社清川商店さん。 KAWANOWAでは、質感の良いレザーを使ったユニセックスなバッグ「azzuni(アズーニ)」をラインナップしています。 オリジナルブランドの名前は、「吾妻橋2丁目」とイタリア語の「AZZULO(青)」を掛け合わせた造語。バッグのラインナップには必ず、キーカラーである深いブルーを加えているとのことでした。 「先代は、もともとかっちりしたフォーマルバッグを得意としていました。 私は平成元年に入社して11年前に社長に就任しました。 その頃はちょうどバッグにもカジュアル化の波がやって来て、フォーマルバッグもなかなか難しい時代に。私が社長に就任したタイミングで、思い切ってオリジナルブランドを立ち上げました。」と松村社長さん。 使う人の日常生活に寄り添うバッグを 持ち手の芯の部分にもこだわりをみせる職人さん そのオリジナルブランドもはや8年目に。 試行錯誤の中で、カジュアル感をベースにしたユニセックステイスト、素材の味を活かしたごくシンプルなデザインにこだわっているとのこと。 使いやすいポケットの仕様、明るい色の内装など、さりげなく遊び心を忍ばせたディテールが「azzuni」らしさ。「使う人の日常生活に寄り添うこと」を心掛けています。 「意外に思われるかもしれませんが、いい素材に出会うことが先で、その後にデザインをイメージします。デザインありき、ではありません。 “こんな質感の軽いゴート素材なら大きくてシンプルな形がいいんじゃないか”、など職人と話し合いを重ねてデザインを決めていきます。思い通りのバッグに仕上がった時は“やった!”という感じですね」 オリジナルブランドを手掛けるようになってから、販売イベントなどで、ダイレクトにお客様から感想を聞けることが何より嬉しいと顔をほころばす松村さん。 またスカイツリーの開業と同時期に、自社ショップ「azzuni」も工房に併設。 リピートの方も徐々に増え、手ごたえを感じていると言います。 若手職人を育てることがミッション 若手職人さんも熟練職人に追いつけるよう、日々精進を続けています。 国内のバッグ業界は、90年代から00年代で生産背景が中国やアジアなどに移ったことなどから、職人の減少が危ぶまれています。 清川商店でも少し前まで職人不足は深刻でしたが、ここ最近はものづくりに魅力を感じる若い職人たちが、門戸をたたくようになってきたとのことです。 今は5人のかばん職人を抱えており、若手も徐々に育ってきたと顔をほころばす松村社長。 「嬉しいことですね。業界全体では相変わらず職人不足ではありますが、少しづつ職人志望の方々が入って来てくれています。 ただみんながすぐに一人前になる訳ではないので、若手が腕を上げるために私たちも色々な仕事を任せてみたり、チャレンジできる土壌をつくるなどの工夫は欠かせないと思っています。 一企業だけでなく、もっと業界全体で盛り上げて行きたいです。」 これから「KAWANOWA」のサイトが、商品を売るだけでなく、“作り手と使い手のコミュニケーションの場”に育ってほしいと、松村社長が語っておられたのが印象的でした。 清川商店さんお手製のボード KAWANOWAは、得意ジャンルもテイストも違った東日本ハンドバッグ工業組合の組合員のメーカーが集まったサイトです。 商品のご紹介に限らず、様々な情報や職人さんの横顔などもお伝えしてまいります。 次回もお楽しみに。 清川商店のブランド「azzuni(アズーニ)」の商品はこちら