「エルク」素材との出会い、その魅力

【職人コラム】―「エルク」素材との出会い、その魅力について―

アトリエからの便り

みなさまこんにちは。

株式会社パーリィーの代表取締役、白潟篤です。
弊社はバイカー系の革アイテムを中心にものづくりをしてきた歴史がありますが、最近ではユニセックスでカラフルな革小物、バッグを幅広く展開しています。

私たちが発信する主な素材は「エルク」。
これはフィンランドが原産の大ジカの革です。この革との出会いはもう15年以上も前。あるタンナー(革なめし業者)さんの床に、クロムなめしされた傷だらけの原皮が転がっていました。

タンナーさん曰く、「重たいし傷は多いし使えないシロモノだよ…」と言われますが、他にないタッチ感と驚くほどの革のしなやかさがあり、自分の中では「これは行ける!」とひらめきました。
今のエルク革に、最初の出会った時のエピソードです。

確かにタンナーがサジを投げるほど、エルク革の傷はすごいものでした。家畜ではないため、フィンランドの厳しい原野で生きていく野生動物だからこそ、ケンカもするしバラ傷も多い。

9月から12月のみに狩猟期が限定されるため、年間を通じて原皮の数には限りもありました。
ただ私にとっては、動物が生きてきた証である傷がだんだんとデザインに見えてきました。それが今のエルクシリーズの、“傷も個性”という考え方に繋がります。

製品に仕立てる以前に、元の革の厚みは1cm前後ありました。そこから全面漉きを入れて、なんとか4mmになるまで薄くしました。それでも2枚合わせた縫いしろは8mmです。

柔らかい素材ゆえに、ミシンが走らない、革が伸びてしまう、ピッチが狂うなどなど…縫製には困難を極めます。初期の職人たちは、本当に苦労を重ねましたね。

様々な試行錯誤を経て、「エルク」はPARLEYが生み出しつづけるオンリーワンの素材になりました。数々の革小物からショルダーバッグ、リュックまで、ライフスタイルをすべて網羅できるほどのアイテムラインナップも自慢です。また美しく発色する染め方にもこだわり、いまはこれにパープルが加わって七色あります。

一度触ると忘れられない、ぬいぐるみのようなモフモフした手触り。4mmの厚みが生み出す柔らかさは、エルクだからこそ生み出せるクオリティ。使い込んでいくうちに、ツヤツヤになっていく様子も楽しめます。

    

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