浅草エーラウンド2018秋 イベントレポート Part2

KAWANOWAさんぽ

さて「革とモノづくりの祭典・浅草エーラウンド」のパート2です。
前回まではエーラウンドの導入部分でしたが、いよいよイベントにお邪魔してみようと思います。

革の素材そのものを“楽しむ”“買ってみる”

まず、「エーラウンドって何だろう」とふらりと訪れた方は、東京メトロ浅草駅からほど近い「マテリアルギャラリー(リバーサイドギャラリー)」からスタートするのがオススメ。受付でパンフレットを受け取り、細長い会場内へGO!

ここでは、浅草界隈でアトリエを構える革関連の企業や、雑貨クリエイターなどが集結しています。特に格安で革を購入できたり、靴やバッグ、雑貨類の販売、またバラエティー豊かな革小物作りのワークショップも開催されていました。

例えばコロンブス社による、革のカラーリング体験。皮革用の染料を使って、革のコースターやレザーチャームを作製。お気に入りの色に染まったものをSNSにアップする姿も多く見られました。

ヒズ・ファクトリー社のワークショップは、刻印や手縫いによるチャームづくり。革に携わって20年の職人が、丁寧にレクチャーされていました。作っている時には色々と話しをするので、母と娘、カップルなどお互いにコミュニケーションを深めるツールとしても、ワークショップはお役立ちのようでした。

他にも、レザークラフトをされる方にとってはありがたい、高品質な革素材の直売がにぎわっています。一般的に、皮革の卸業者は1枚から販売したりはしないため、この機会は本当にチャンスとあって、営業マンや社長さんたちから直接話を聞いて買い求めることができます。


「普段は高級で高い革も、ここならびっくりするほどリーズナブルなので、手作りする私たちにはありがたいです」と、クラフトを趣味にする女性達。

地元の企業や商店が盛り上げる「エーラウンドマーケット」

また、こちらのギャラリーから墨田川沿いを10分ほど北上して歩くと、台東リバーサイドスポーツセンターの隣に位置する「エーラウンド・マーケット」があります。
こちらではおよそ40社のブースが広場にテントを立てて集結し、様々なマルシェをオープンしていました。傍らでは小学校の吹奏楽部によるマーチングバンドや、和太鼓の演奏など、イベントも盛りだくさん。

革雑貨やアクセサリーなどの販売では、このエーラウンドだけの限定価格品やオリジナル商品などを販売。雷門にアトリエのあるナチュラルなバッグブランド「カンミ」や、イタリア革を使った「グラムス」、佐賀県からは婦人靴メーカー「ティックワールド」までもがブースを構えていました。

また近隣の飲食店も協力し、クラフトビールからカレー、富士宮焼きそば、パンケーキまで多種多様なグルメが集まって、更にお祭り気分を盛り上げて、賑わっていました。

様々な革雑貨ブランドが入居する「ものづくり工房」

「エーラウンドマーケット」またそこから更に墨田川を北上すると、台東区が運営する創業支援施設「浅草ものづくり工房」が見えてきます。
服飾雑貨系のクリエイターが8組入居しており、普段は一般公開はしていませんが、この「浅草エーラウンド」の期間のみ限定の施設公開を行ないました。いつもは静かなこの施設も、この日ばかりは子供たちの楽しそうにはしゃぐ声が響きます。

中庭では、親子で参加できるキッズイベントや、手作りのお菓子などを販売する飲食コーナーが設けられています。また、入居クリエイター達から直接手ほどきを受けられるワークショップもあり、そちらも大変な人気です。

こちらに入居する8組は、靴ブランドが4組、バッグや服飾雑貨が4組。

中でも「クスグルデザイン」は、「革切子」という革に切子グラスのような模様を付けた立体的なフォルム感を楽しむバッグや革小物を作製。

他にもピッグレザーの薄さとプリント特性を活かした「ぐにゃにゃんこ」はネコ好きな方々にはカリスマ的な人気を誇ります。

また「ショイズクローゼット」は、一点一点異なるハンドペイントした革を使い、靴やバッグ、ファッション小物を販売しました。特殊な染料を使ったレザーに“塗り絵”ができる「カワヌリエ」の実演も。

「ラ・ジョイア」は、武州の正藍染め技術を用いた「YOSHIHARU WADA」ブランドを展開。布帛、皮革製品を中心に、Tシャツやストール、帽子、扇子などを展示、販売していました。

来客の多い20、21日には、ものづくり工房内で「手作り靴のメンテナンス」を開催。過去に「あなたもシューズクリエイター」のワークショップに参加して靴を製作した方を対象として、作った靴の修理や縫い直し、クリーニングの作業を“一緒にやりましょう”というイベントも。

ワークショップも、一度きりではなく年数を重ねて積み上げてきたため「アフターケア」もこれからは重要なキーになりそうです。

作った誰かの“手”が見えることで、モノから「こだわり」へ

さて、まだまだエリアは広く、すべて回るのは丸1日はかかりそう。この日に限った展示や見学などが多いので、興味のある方は2日間や3日間通ってくるのだとか。それほど見ごたえのあるものばかり。

浅草ものづくり工房にて、革に刺繍を施した靴!

ものづくりの背景を知ったり自分で作ったりすると、目の前にある製品が単なる“モノ”ではなく、誰かの手を通して時間をかけて作られた“こだわり”に変わるのが、とても不思議な体験。

マテリアルギャラリーにて。タイルのような革です。

東京にもこんな場所があるということを、一人でも多くの方に知っていただけることは“職人を応援する”という「KAWANOWA」のコンセプトにも通じ、とても嬉しいことです。
ぜひ来年は、訪れてみてはいかがでしょう。

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KAWANOWAは、「革とオトナのいい関係」を作っていくサイトです。
革についての知られざる知識あれこれを、これからもお伝えしていきます。また次回もお楽しみに。

文責: CHIENOWAコミュニケーション 川崎

川﨑 智枝(かわさき ちえ)。CHIEnoWAコミュニケーション 代表。
1991年、靴・バッグ業界において唯一の経営コンサルティング会社、「アジアリング」入社。
20年弱で全国の靴バッグ専門店・小売店へのべ2,000店を取材。バッグ業界専門コンサルタントとして
のべ約250社のクライアントに実施。
2005年、コーチ・トゥエンティワン(現コーチA)のコーチトレーニングプログラム(CTP)終了。
業界内でスタッフ・マネージャー研修、営業マン研修等を実施。著書「靴バッグ 知識と売り場作り」。
研修コーチ、服飾雑貨MDプランナー、webマガジン「B.A.G. Number」編集長として独立。