浅草エーラウンド2018秋 イベントレポート Part1

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さて、今回はものづくりの街でのイベントレポート。
「革とモノづくりの祭典・浅草エーラウンド2018年秋」が、10月15日(金)から17日(日)まで、東京・浅草、奥浅草エリア一帯で開催されました。


出典:エーラウンド実行委員会

浅草は国内でも有数の革と靴の一大産地

浅草エリアは観光地としての「雷門」や「浅草寺」が有名ですが、実は日本国内でも有数の「革と靴の一大産地」でもあります。
台東区には2,000以上の皮革関連企業が集積し、そのうちの1,000を超える靴・皮革企業が1.5km四方の奥浅草(浅草3~7丁目、今戸、清川、橋場、東浅草地区)に集中していると言われます。
この三角形のエリアの中に、ぎゅぎゅっと集まっているのです。

出典:エーラウンド実行委員会

実は再来年の2020年は、近代日本の皮革・靴産業にとっては150周年の節目の年にあたります。この浅草エリアには、明治20年前後から、靴や皮革の工場が徐々に立ち並び始めました。現在でも革靴の生産出荷額は、神戸や大阪を押さえて日本一を誇っているのだとか。
昔から、製甲(靴のアッパー)職人や底付け職人など、腕のよい専業の職人を数多く生み出してきた、歴史ある土地でもあります。

何より、大都市の中心部に位置し、墨田川という“水運”が良かったことが当初からの発展を支えてきました。特に戦前・前後期には都心の商業地(銀座など)に隣接する点も、大きな意味があったようです。

そんな“革のものづくり”の技術を受け継ぐプロフェッショナルたちが集い、“オープンアトリエ”や“街歩きイベント”などを通じて、この街の魅力を伝えていきたいという想いが結実したのが、この「浅草エーラウンド」。

毎年開催され、去年は3日間でのべ15,000人から2万人が参加しました。普段は静かな下町の工場街も、この日は多くのお客さんでにぎわい、雷門や浅草寺の表通りの観光名所とは一味違った、新しい浅草の一面を見せてくれる日と言えそうです。

「エーラウンド」は見て、体験して、味わって

今年のエーラウンドは、おでかけSNSスマホアプリ「Deaps」を導入して、スマホの情報と照らし合わせながら、歩くことができる画期的な仕組みを導入。若い人たちへのアプローチも欠かしません。


またシェアサイクリングの「HELLO CYCLING(ハローサイクリング)」を紹介し、広いエリアを効率的に回れるよう、自転車での移動も推奨しています。マップにはハローサイクリングの「ステーション(レンタルスポット)」も数多く掲載されました。

さて今回の「エーラウンド」での1番人気は、「革靴生産工場のオープンファクトリー」。なかなか見られない工場の中を見学できるとあって、若い学生からハンドメイドの作家、一般のお客さんまで様々な仕事の方々が集まって毎回熱いツアーになります。
予約制ですので、すぐに埋まってしまう人気ツアーも少なくありません。

今年は、百貨店などでもよく見かけるレディスブランド「あしながおじさん」の工場見学は人気が高く、若い方からシニア世代まで幅広い方々が見学ツアーに参加されました。

また靴や雑貨などのものづくりに欠かせない“抜型”を作る「東京刃型」も、普段はオープンにしていない本社の工場見学を決行。抜型製造工程が見られる工場の中はなかなか見ることはないので、業界で働いている人が改めて勉強のために参加するというケースも少なくないそうです。

さて、前半はここまで。
次回は実際に「エーラウンド」を、“歩いて・見て・楽しむ”レポートをお送りいたします。お楽しみに。

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革についての知られざる知識あれこれを、これからもお伝えしていきます。また次回もお楽しみに。

文責: CHIENOWAコミュニケーション 川崎