第99回レザーフェア イベントレポート Part2

KAWANOWAさんぽ

こんにちは。
いつも「KAWANOWA」をご覧くださり、ありがとうございます。

さて「第99回レザーフェア」のパート2です。
前回まではレザーフェアの「トレンドラボラトリー」の紹介でしたが、いよいよ展示会場の各ブースにお邪魔してみようと思います。
同行いただいたのは、KAWANOWAで一番人気を誇る「アッズーニ」の有限会社清川商店の松村社長。ご一緒にアテンドしてもらうことになりました。よろしくお願いいたします!

企業ブースの傾向は

各ブースには、カットされていない大判サイズの革がたくさん提げられています。中にはエキゾチックレザーである、クロコダイルやパイソンも動物そのまんまの形で展示されています。なかなかの迫力です。

今年は秋冬にも関わらず、トレンドラボラトリーにもあったように、華やかで明るいカラーが見受けられます。また蛍光色などビビッドなカラーも増えていて、スポーティやポップな印象が増してきた感じです。

ブースの外からもはっきり主張する蛍光色!

ポップアートのような、鮮やかなプリントを施された革もありました。インポートとのことでしたが、国内ではなかなか見られない斬新なプリントにくぎ付けです。

繊細な加工ものも多く提案されていました。革に模様が描いてあると思ったら、実は細かな“刺繍”。このステッチワークはすごいです。

松村社長によると、

「最近は凝った加工ものが多くなってきましたね。一端にはいい原皮が少なくなっているので、加工することでB反C反をうまく生かすという一面もあるんですよ」

と解説頂きました。
なるほどー、もとは動物だけに色々な等級があって、それをどう活かすのかも加工メーカーの腕の見せ所なのですね。

ここ数年来の傾向とのことでしたが、ナチュラルやオーガニックといった流れを受けて、革業界でも“エシカル(持続可能な)”へと舵を切る動きが目立ってきました。

厚みがたっぷりある革。

例えば、樹木の渋から取った「タンニンなめし」に特化したり、なめした後から化学薬品のクロムを抜く加工を施す「クロムフリー」など、環境と人体に優しい革づくりは、世界的な傾向と言っても過言ではないそうです。

日本皮革研究所のブースでは「日本エコレザー」に関する資料を頂きました

ヌメ革を扱ったブースでは、「グッドデザイン賞マーク」がついたサンプル帳を見かけました。こちらで作られたのは、様々な種類のヌメ革をパッと開いた時に一覧できる、美しいサンプル帳。このデザインが賞を取られたようでした。

ヌメ革といっても、仕上げのバリエーションと銀面のバリエーションでこんなにたくさんのラインナップがあるのですね~。ただただため息もの。

「ヌメ革は最近とても人気がある素材だけど、焼けたり傷つきやすく扱いはなかなか難しい。それをどう自分たちらしく見せるのかも、作り手の腕を試されますね。」

と松村社長。ナチュラルで存在感あるヌメ革ですが、陰には苦労があるのですね。

ヌメ革で作られたハンモック

 

パーツ関係やケア用品のメーカーは

また革だけでなく、靴やバッグに使われる「パーツ」専用メーカーも多く出展されています。

紐もパーツとしてこんなに種類があります
ブラシもたくさん。ブラシごとに毛の柔らかさを確認するKAWANOWAスタッフ。

たとえば、がま口バッグなどに使用する「口金」。こんなにたくさんの種類があるとは知りませんでした。ひねる部分がカラフルなボールになっていたり、キラキラしたジュエリーのようなものだったり。小さいものから大きなものまで、様々な種類が提案されています。

見ているだけでウキウキするかわいさ

最近増えてきた「バンブーハンドル」に使われる、プラスチック製のバンブーもありました。カラフルで面白い!

また松村社長は、靴のインソールに使われる「低反発クッション」をしきりに手に取られています。
「靴の資材をバッグに応用すると、面白いアイデアが沸くんですよ」とのこと。

もしかして、これからバッグに新しい機能が生まれる予感です。

「焼き立てパンの感触」な低反発シートもありました

シューケア用品大手の「コロンブス」では、ユニークな新商品が発表されています。

革の表面に特殊な薬剤をかけるとあら不思議!黒板になってしまうというもの。革と黒板の組み合わせとは全く想像つきませんでした。面白い!


「例えばお店の看板や今日のメニューなど、黒板が革素材だと他の店と差別化できますし、目を惹きますよね」とのご説明。松村社長も「うちもショップで使おうかな」とノリノリ。アイデアが広がりそうな製品ですね、これは早い者勝ちかも。

革を身近に感じてもらうために

さてブースを回っていると、なにやら四角い革のコースターを頂けます。実はこれは「1デシコースター」といって、革の計量単位である「デシ」を知ってもらうための試み。

1デシサイズのコースター

「デシ」とは聞きなれませんが、“デシメートル”という単位の言葉を短く略したもので、「10cm×10cm」の大きさのことを差します。ブースによって色や素材が異なる様々なコースターがあって何枚かコレクションするのも楽しいです。これでより革が身近に感じられそうですね。

私たちも何種類ものコースターをいただきました。色々な種類があって、これは日替わりで楽しめますね。

並べられた革にはデシ単位の金額のタグが。本革バッグのお値段にも納得です!

また皮革研究を行うブースでは、VR(仮想現実)による「タンナーの工場見学」を実施。なかなか足を踏み入れられない工場を、リアリティ溢れるVRで体験できることはとても貴重でした。

ハイテクな展示方法にびっくり。アンケートもデジタルでした。

気軽に楽しめる皮革クイズも行っていて、例えば手触りだけで「この中のどれが本物の革でしょう?」と合皮と本革との違いを当てるもの。参加者がワイワイ言いながら当てっこしていましたが、意外とハズレています。

KAWANOWAスタッフもチャレンジしましたが、初級編のみ正解という残念な結果に…。

松村社長によると

「切り口がテープで隠れていると、最近はプロでも合皮であることはわからない。でも使っていくうち、革ならではの経年変化の良さが必ず出てきますので。」

と話されました。合皮は買ったときがベストで時間と共に劣化してしまうけれど、革は使っていく程に味が出るもの。そんなことを思い起こした言葉でした。

さて、これでレザーフェアはおしまい。たくさんの革や製品を拝見し、改めて革の奥深さと面白さを実感できました。
ものづくりのみなさんは、これからが来年秋に向けてのスタート。KAWANOWAでも来年から新しい商品も入荷予定ですので、楽しみにていてくださいね。

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KAWANOWAは、「革とオトナのいい関係」を作っていくサイトです。
革についての知られざる知識あれこれを、これからもお伝えしていきます。また次回もお楽しみに。

文責: CHIENOWAコミュニケーション 川崎

川﨑 智枝(かわさき ちえ)。CHIEnoWAコミュニケーション 代表。
1991年、靴・バッグ業界において唯一の経営コンサルティング会社、「アジアリング」入社。
20年弱で全国の靴バッグ専門店・小売店へのべ2,000店を取材。バッグ業界専門コンサルタントとして
のべ約250社のクライアントに実施。
2005年、コーチ・トゥエンティワン(現コーチA)のコーチトレーニングプログラム(CTP)終了。
業界内でスタッフ・マネージャー研修、営業マン研修等を実施。著書「靴バッグ 知識と売り場作り」。
研修コーチ、服飾雑貨MDプランナー、webマガジン「B.A.G. Number」編集長として独立。