第99回レザーフェア イベントレポート Part1 KAWANOWAさんぽ 2018年12月10日 by chie kawasaki こんにちは。 いつも「KAWANOWA」をご覧くださり、ありがとうございます。 今回は、レザー業界向けに毎年二回開催されている展示会、「第99回東京レザーフェア」にお邪魔してきました! 一般の方には公開されていない展示会ですが、革を知るには絶好の機会。 ということでわかりやすくレポートしてみます。 毎年5月と12月に開催され、今回は12月6日(木)から7日(金)の2日間に渡り、浅草の「台東館」にて開かれました。 2日間で盛りだくさんのコンテンツ 参加企業は、浅草、姫路、和歌山など全国のタンナーさんや革卸、パーツなどの副資材メーカー、ケア用品メーカーなど約150社。今回は「2019年秋冬」に向けた製品が提案され、いち早くトレンドを掴みたいデザイナーやメーカーさんたちが、一堂に集結する展示会です。 まさに「素材からインスピレーションが湧きたつ」現場と言えそうですね。 2日間ではありますが、盛りだくさんのコンテンツでしたよ! Tokyo新人デザイナーファッション大賞に選ばれた「NAPE(ネイプ)」によるレザーファッションショー&トークショー。そしてイタリアの素材展示会「リネアペッレ」の最新マテリアルの紹介コーナー。また「革コン!」という革のデザインコンテストの発表と、レザーフェアから情報発信を積極的に行っています。 革の将棋盤!革コンならではです。 アイデアが詰まった革製品の数々が並んでいます。 まずは「トレンドラボラトリー」のコーナーへ スタートは最上階の7階フロアから。こちらは「トレンドラボラトリー」という、2019年秋冬に向けた素材と副資材の提案を行うブース。 商品づくりに不可欠なデザインソースや、企画のクリエイティビティにつなげてもらうことが目的とのこと。毎シーズン参加企業の製品をピックアップし、株式会社ジャルフィックの池田社長がディレクションされています。 まずは、2019年秋冬はどんな素材が登場するシーズンなのか、ラボラトリーの提案テーマを見てみましょう。 【1.KENRAN(ケンラン)】 秋冬といえばシックで落ち着いたカラーと思いがちでしたが、このテーマはあえて秋冬らしさにとらわれない軽やかさや華やかさが打ち出されています。 茶系やキャメルなどのナチュラルな革の質感や、ピンク、イエロー、モダンなブラックなどが登場していました。秋冬といえども“明るさ”が重要なキーワードになっているんですね。 【2.JAZZ(ジャズ)】 2つ目のテーマはクールな“寒色系”が登場。主役はターコイズ、そして深いグリーン、ブルー、パープルなどの青みのあるカラーバリエーション。加えて、メタリックやツヤ感のある素材が組み合わさっていました。 特に来シーズンは、“ブルーやグリーンのグラデーション”で色調を表現することも増えそうです。 【3.EMOTION(エモーション)】 3つ目のテーマはホットな“レッドバリエーション”。鮮やかさといえば「赤」といえるほど典型的なカラーですが、来期の赤はかなり“濃密”な印象です。ブラウン、グレー系、ワイン系、ベージュなど、大人っぽいシックなカラーが注目。 ここにさりげなくメタリックやアニマル柄などを合わせて、鮮やかなイメージを作り出しています。 今期の企画のポイントになる色と素材について、池田さんから「トレンドテーマ・ガイダンス」も2日間に渡って開催されます。デザイナーさんやバイヤーさんなどがブースに集まり、みなさん真剣そのもの。 来年秋冬シーズンに向けての仕込みは、今から始まっているんですね。めちゃめちゃ早い! 各社自信の一枚を提案する「極めのいち素材」 また「極めのいち素材」というコーナーでは、各社が製作した“渾身の一点”を一堂に展示しています。手触り感や新しいカラー、さまざまな加工法など、自分たちが誇る技術を駆使した「革一枚」に、参加者それぞれ一票を投じていきます。 今回出展されている作品は、ほんのりピンクの「ボタニカル・サクラ」という草木染の革や、「革紙(かわし)」という革と和紙とを融合させた素材など、「革でもこんな表現ができるのかー」と、何度も驚かされるものばかりでした。 小さな一票ですが、それが革づくりの方々の励ましにつながるとのこと。こんな企画もいいですね。 さて、前半はここまで。 次回は実際にレザーフェアの各ブースを見てみましょう。普段目にすることのない“レザーの最先端”をレポートいたします。お楽しみに。 ━━━ KAWANOWAは、「革とオトナのいい関係」を作っていくサイトです。 革についての知られざる知識あれこれを、これからもお伝えしていきます。また次回もお楽しみに。 文責: CHIENOWAコミュニケーション 川崎