「革製品技能試験認定証授与式 2018」レポート

KAWANOWAさんぽ

こんにちは。革を持ちたくなる季節がやってきました!

今回のKAWANOWAさんぽは、2018年9月11日(水)14:00から恵比寿ガーデンプレイスにて執り行われました先日行われた革製品技能試験授与式の様子をレポートさせて頂きます。

革製品技能試験は、「革靴」、「かばん・ハンドバッグ・小物」、「ベルト」、「手袋」と大まかに4つあり、更に細かな分野に分かれます。

 

特に驚いたのは革靴製造技能試験です。『裁断』・『製甲』・『底付』・『仕上』と細かな工程ごとに試験があり、靴づくりの複雑さを垣間見ました。また、鞄・ハンドバッグ・小物技術認定試験は、『鞄部門』・『ハンドバッグ部門』・『小物部門(紳士・婦人)』と製品ごとに3部門に分けられていました。

 

「バッグは縫製する、財布は貼り合わせる、という工程の違いがあり、仕立て方が全く異なる」と以前、KAWANOWAメーカーさんからお話を聞きましたが、試験の内容からもそれがうかがえました。

 

今年は1級から3級まで113名の合格者が輩出。授与式には出席できる方のみでしたが、全体的に若い職人さんが多く、日本の皮革製品の技術向上、後身の育成が徐々に進んでいっている印象を受けました。

KAWANOWAに参加いただいている企業の職人さんも多数いらっしゃいましたのも、嬉しく思いました。以前、KAWANOWAな人たちでもご紹介した蔵前にて「財布塾」を開かれている財布職人の吉川信和さんも小物紳士部門1級に見事、合格されておりました。

 

会場外では、受賞者たちが手掛けた製品が展示されていましたが、小物(財布)は黒一色。色やデザインが入らない分、縫製やコバなどの仕上げが際立ちます。

  

革製品技能試験は今までに築いてきた自分の実力や知識を検定、そして認定するもの。職人さんが今まで培ってきた歴史や自信の裏付けや、現在の自分の技術力を客観的に確認するために活用されているようです。

合格者からは、「やるなら極めたい」、「先輩に教えられたことを後輩にも教えていきたい」というコメントを聞き、日本の革製品がよりよくなっていくのを楽しみに感じました。

以上、革製品技能試験授与式の様子をご紹介させて頂きました。

この日は、ジャパンレザーグッズマイスター認定証授与式も行われていました。
こちらは新ためてご紹介させて頂きます。お楽しみに!

革製品技能試験とは…
革製品技能試験は一般社団法人 日本皮革産業連合会(JLIA)・全日本革靴工業協同組合連合会・日本鞄ハンドバッグ協会・日本服装ベルト工業連合会・日本手袋工業組合が主催となって実施している皮革産業に携わる方々の資格試験です。
試験制度を通して皮革技術に対する評価を高め、職人の技術と社会的・経済的地位の向上を図るとともに、ものづくりに興味がある人材を増やし、皮革産業の未来を担う後継者育成につなげることを目的としています。