アトリエインタビュー/株式会社山万の「世代を継いでいくということ」Part2

アトリエからの便り

(株)山万の次世代インタビュー「世代を継いでいくということ」のPart2、最終章です。

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アトリエインタビュー/株式会社山万の「世代を継いでいくということ」Part1

長男の裕之さんが会社を継がれることになりましたが、「兄弟の二人三脚でやってこれているのがとても有難い」というのが前回までのお話でした。

そして全く違う異業種から家業に入られた裕之さん。業界内の社長さんたちからずいぶん助けられたとのことでしたが…、さて続きです。

KAWANOWA「財布作りは今までと全く違うお仕事かとは思いますが、ここに入られてから、お仕事面ではどんなことに気を付けてきたとかはありますか?」

山田裕之さん(裕)「父がもともと、祖父の代から教えられたことを、忠実に引き継いでいた人でした。当時は中国生産のものも扱っていましたが、やはり今後は国産になると読んで、早い時期からメイドインジャパンへと切り替えました。私たちも、大量に作って売るというやり方ではなく、小ロットで丁寧にものづくりするという姿勢を崩さずにやっていきたいと思っています。」

山田康之さん(康)「職人仕事は意外と、“同じものさえ作り続ければよい”と思われがちですが、そうじゃないんです。毎回糸の留め方や、ネン引きの調整など、職人が代わるとやり方が変わったり品質が下がったりしてはマズい。同じクオリティかそれ以上の出来でないといけない。環境や人的なことに振り回されず、妥協のないものづくりをしていく必要があります。」

KA「どんなときも、製品に対して客観的な視点と、新たな技術力をどう加えていくかが必要になりますね。製品のブレをなくす工夫はさすがです!」

裕「そういう意味でも、二人で思っていることを言い合える関係性はありがたいと思っていますよ。」

KA「現在は、ビジネスを継承していくことが目下重要なことかとは思いますが、今後はどんな新しいことをしていきたいと思われていますか?」

康「これからは自分たちの商品を、自分たちの力で直接売っていきたいと思いますね。自分がオーディオやムービーに興味があるので、その技術を活かして動画での発信なども手掛けてみたいです。」

KA「それはぜひ、KAWANOWAでもシェアさせていただきたいですね!新しい売り方のステップにしていきたいです。」

康「そのときはぜひよろしくお願いいたします。」

裕「このコロナ禍において、今までないような素材の開発も視野に入れています。まだ企業秘密ですけれども(笑)」

KA「それはめちゃくちゃ楽しみですね!」

裕「お披露目まで楽しみにしててください。」

KA「はい。今日はお忙しいなか、インタビューのお時間をありがとうございます。ご兄弟の仲の良さも知ることができ、とても貴重な機会でした。」

裕・康「これからもよろしくお願いいたします。」

インタビューはこれで以上です。

このコロナ禍であっても前に進んでいく勇気がまぶしいです。国内でも、ここまでのクオリティを作り上げる革小物メーカーが少なくなりました。

若い世代への事業承継、さまざまな課題や夢など、混じり合いながらの船出ではありますが、勇気ある出帆にエールを送りたいと思います。

株式会社山万 「FESON」

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