アトリエインタビュー/株式会社山万の「世代を継いでいくということ」Part1

アトリエからの便り

今回は、私たちKAWANOWAライターがそれぞれのアトリエにお伺いしてインタビューをさせて頂く、「アトリエインタビュー」その1です。

お邪魔したのは「株式会社山万」さん。初代代表取締役である山田晴彦社長が立ち上げた財布メーカーは、名前を聞けば誰でも知っている著名ブランドを作り続けてきた、国内屈指の財布OEM製造企業です。

KAWANOWAでもオリジナルブランド「FESON」は財布好きには圧倒的な人気を誇ります。

財布はかばんと違って、サイズは小さいながらもパーツの数が大変多く、革の「漉き」や「貼り」といった高度な技術が要求されるアイテムです。小さなものであればあるほど、指先の技術がものをいう世界。

実は初代の山田晴彦社長が昨年の冬にご逝去され、急遽長男である山田裕之さん(写真右)が事業を承継することになりました。今回はそんな中での「世代を継いでいくこと」というテーマでのインタビューとなりました。

父と兄弟と3人で相談してきた企業経営

KAWANOWA(以下「KA」)「今日はよろしくお願いいたします。」

山田裕之さん(以下「裕」)「よろしくお願いします」

KA「昨年の冬にご逝去されたとのこと、大変急なことで驚きました。会社のほうは落ち着かれたのですか?」

裕「はい、ありがとうございます。もともと私と社長、そして弟の康之と三人で会社全体を見ていたこともあり、仕事の上でお客様にご迷惑がかかるということはありませんでした。ただ、私たちもまだちょっと、気持ち的にはまとまりがついていないところはありますね…。」

KA「そんなタイミングのなかで、インタビューとは大変失礼いたしました。今回は新社長になられた裕之さんの、今後の抱負をお聞かせいただけたらと思っておりまして。(ふと名刺を拝見する)

・・・あ、肩書は、代表取締役にはなっていないんですね。」

裕「もちろん会社の名義などは書き換えましたが、名刺を代表取締役にするのはなんだかまだためらいがありますね。しばらくこのまま『営業主任』でいたいと思っています。自分はやはり営業という立場が合ってるな、と。」

KA「裕之さんは、いつお父上の家業に入られたんですか?」

裕「私は全く別の仕事で営業職をしていて、父が独立してこの仕事を始めた時に、一緒にやらないかと声を掛けられました。今年で13目になります」

KA「違う業界だったんですね!」

裕「大学を卒業してからは、ずっとバックパッカーで世界中を旅してましたからね(笑)。」

KA「ちょっと意外なご経歴です!弟の康之さんも同時期に入られたのですか?」

山田康之さん(以下「康」)「私は、兄の二年後くらいにここに入社しました。」

KA「なるほど。兄弟お二人と社長という、三人タッグでのお仕事だったんですね。」

 

先輩たちからのアドバイスが助けに

裕「結構仲のいい親子だったと思いますよ(笑)  父とはなんでも話しやすい間柄で、よく親子三人でスキーに行ったりしました。」

KA「親子でスキーに行くなんて、とっても羨ましいですね!」

裕「実は東京代表で、兄弟そろってスキー部門のインターハイに出場したことがあるんですよ(笑)」

KA「なかなかの実力ではないですか!すごい。」

裕「いえいえ、そうはいっても東京都ですからねー(笑)」

KA「ただ、同じ会社に親子がいると、コミュニケーションが難しいという話もよく聞きますが…」

裕「実は山田家は昔から、仕事でもプライベートでも、何でも話し合うというスタンスがあるかもしれませんね。なので今でも、弟とは何でも相談し合っています。今では、二人兄弟で本当に良かったと実感していますね。」

康「このKAWANOWAを運営する東日本ハンドバッグ協働組合でも、若手経営者の会があって、そちらでも先輩方にアドバイスを頂けたりしています。社長がいない今、困った時はやはり同じ業界の先輩方が頼りになります。」

KA「確かに。2代目、3代目の社長さんたちが多くいますからね。みなさんの経験を聞いているとこちらも参考になります。」

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今回はここまで。

これから若い世代のお二人がどんなイメージを抱かれているのでしょうか。また次回に続きます。

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株式会社山万 「FESON」

 

後編記事はこちらです。

アトリエインタビュー/株式会社山万の「世代を継いでいくということ」Part2

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