ものづくりのまち・台東区「浅草橋」「駒形」エリアへ 「KAWANOWAさんぽ」に行ってきました! part2

KAWANOWAさんぽ

こんにちは。いつも「KAWANOWA」をご覧くださり、ありがとうございます。

さて、前回まではプリンセストラヤさんの「袋物参考館」にて、昭和初期までのハンドバッグを見せて頂きました。
ここからは、高度経済成長期を迎えた日本のハンドバッグの歴史です。

 

◆現代に向けたハンドバッグの進化

昭和30年代の終わりには「東京オリンピック(39年)」が開催されました。そこから、世界中からの観光客がどっと増え、日本人もいよいよ海外へとこぞって旅に出た時代です。

プレスの河島和彦さんからお話を伺います。

「40年代に入った頃から、一般の日本人も海外に行き来できるようになります。また海外留学などから戻った人がカルチャーを持ち帰り、ジーンズやヒッピー文化などを広めていきます。スタイルもよりカジュアルになり、“ショルダー”タイプのものが一気に広がりました。

バッグ業界でも変化が起こります。今までは、ひとりの職人さんが一本のバッグを作っていたのが、今のような裁断、漉き、縫製といった分業制へとシフトしたのもこの時代です。

そして弊社のブランド『ダコタ』も1969年(昭和44年)にスタート。馬具風なウエスタンデザインを取り入れた、当時は斬新なカジュアルバッグでした。」

確かにこの時代のバッグのシルエットは、パンタロンやシャツスタイルに合うロングショルダーが多いのが特徴です。今であっても、十分レトロ感のある個性派デザインです。

「そして昭和50年代は有名な『ハマトラブーム』が起こります。『ミハマ』や『キタムラ』といったエレガントなブランドが支持され、ブランドブームが始まります。カジュアル派だった『ダコタ』は苦戦を強いられますが、軸をぶらさず当初のものづくりを続けました。

同時期に、弊社では他のオリジナルブランドを立ち上げたり、フォーマル系や値ごろ感のあるものなどを作るなど、企業として様々な模索をし続けて、今に至っています。」

ハンドバッグの歴史とプリンセストラヤさんとは、密接に関連していることがわかりました。

「ダコタ」の過去のデザインが、今の流れとそう変わっていないということにも、会社としてこのブランドをきちんと守ろうとしている姿勢が伺えます。

 

◆職人とデザイナーとが切磋琢磨する「プリンセスギャラリー」

そして、日本のハンドバッグの歴史から、世界の袋物コーナーへと移ります。

様々な民族の“生活の道具”としてのバッグは、実用と装飾の面白さに興味をかき立てられます。

また色々な爬虫類や動物の革のコーナーでは、エイ、サメ、カエル、コイ、ウナギ、カバ、サル、トナカイ、シャケなどなど…、数えきれないほどの動物の革の種類のバッグがありました。

「よく誤解されるのですが、動物達はバッグのために殺されたのではなく、皮はあくまでも“食肉の副産物”なんです。世界には様々な食文化があるので、捨てることなく皮を活用していることは忘れないでほしいです。」

と河島さん。

またフランスの貴族たちがオペラを見る時に使う「オペラバッグ」は、芸術品レベルの装飾が施され、職人技が競われてきたことを彷彿させました。女性の衣装のひとつとして、バッグはまるでアクセサリーのように不可欠な存在だったことを伺わせます。

最後の「プリンセスギャラリー」のコーナーでは、プリンセストラヤさんに所属する職人さんたちが、社内デザイナーさんたちとコラボレーションしたユニークなバッグが並んでいました。

ファスナーがたくさんついていたり、細かな縫製だったりと、他に見られないデザインばかり。

「このコーナーに並んでいるバッグは、売場に並ぶことはありません。職人とデザイナーとが技術を競い合い、伝承し、次の世代へとつないでいくための試みでもあります。

普段は現実的な価格面や工程などで、贅沢な作りをすることは難しいかもしれない。けれどそれとは関係なく、プリンセストラヤが常に一定レベルの技術力を保ち続けていくことは、先代から引き継いだ私たちの責務だと思います。」

と河島さん。

様々な方がこの袋物参考館を見ることで、いま手元にあるものが単なるバッグではなく、「歴史と技術力」がぎゅっと詰まったものだということに気づくかもしれません。小さいながらも、とても濃い博物館でした。

さて、KAWANOWAさんぽチームが「袋物参考館」を後にしてから次に向かうのは、かばんの歴史が一堂に会する、「世界のかばん博物館」です。

 

Part2はここまで。次回もお楽しみに!

 

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◆ご協力 (共に予約制)
袋物参考館(プリンセストラヤ)ツ黴€ http://www.princessbag.com/princess-gallery

世界のカバン博物館(エース) ツ黴€https://www.ace.jp/museum/

 

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革についての知られざる知識あれこれを、これからもお伝えしていきます。また次回もお楽しみに。

文責: CHIENOWAコミュニケーション 川崎