ものづくりのまち・台東区「浅草橋」「駒形」エリアへ 「KAWANOWAさんぽ」に行ってきました! part1 KAWANOWAさんぽ 2018年7月20日2018年9月19日 by chie kawasaki こんにちは。いつも「KAWANOWA」をご覧くださり、ありがとうございます。 5月に開催された「モノマチ」が、台東区エリアで行われていることを、以前こちらのブログでご紹介させていただきました。実はその台東区には、バッグとかばんにまつわる「博物館」まである、というウワサを聞きつけました。 早速私たち「KAWANOWAさんぽチーム」が突撃取材に伺って参りましたので、レポートいたしますね。 ◆まずスタートは「浅草橋」駅から ここ浅草橋界隈はもともと、資材メーカーやパーツ屋さん、バッグの問屋や職人さんのアトリエなどが並ぶ、普段は下町の雰囲気を残した静かなエリアです。 駅の周りには「貴和製作所」などのアクセサリーパーツの店や、店舗用品を扱う「シモジマ」、革や金具を販売するお店などが集まっています。 ちょっと“プロっぽさ”がある街と呼べるかもしれません。 まずはメンバーで今日のスケジュールの確認と、腹ごしらえから。 意外と浅草橋の駅のまわりには、個人経営の小さなレストランや居酒屋が裏通りにひしめいていて、そぞろ歩きするにはとっても楽しいです。 ランチは、こちらの居酒屋さんで。お昼の定食もリーズナブルでボリューム満点! ◆ものづくりの足跡を次世代に残す“袋物参考館” そして、ここから歩いて五分のところにある、ハンドバッグの卸会社・株式会社プリンセストラヤさんに向かいます。 業界でも老舗企業であり、1939年(昭和14年)に創業されました。「ダコタ」というオリジナルブランドを持ち、その他にも「ユキコ・ハナイ」や「ホコモモラ」などのブランドも扱われています。 建物の中には「袋物参考館」という、ハンドバッグの歴史を知ることができる貴重な博物館があります。 こちらは創業50周年記念事業として設立され、平成元年に公開がスタートしました。クラシックな石造りの部屋には、歴史を感じさせる数々のバッグや袋物が静かに並んでいます。 ではここからは、プリンセストラヤ・プレスの河島和彦さんにご説明をお願いしたいと思います。 「袋物参考館には、世界約50ケ国のバッグや袋物が展示されています。 もともとは、益子焼で人間国宝の濱田庄司さんと、弊社の創業者との間に交流があり、ものづくりの足跡を“参考館”として残すのが良いとアドバイスを頂いたことが、ここの始まりです。 ハンドバッグは実用品だけでもなく芸術品でもない、ほどよくその中間的なものです。時代に応じて、また国の文化によっても様々な表情を持つ“バッグ”や“袋物”を収蔵しているのも特徴です。」 と河島さん。 ◆江戸時代中期から“袋もの”が始まった まずは日本のものから。年代別に並べられていますが、「袋物業」という仕事が生まれたのは江戸時代中期だそうです。 「最初に袋物が生まれたのは、“たばこ入れ”が始まりだったと言われています。口元で袋を結ぶ信玄袋(しんげんぶくろ)や合財袋(がっさいぶくろ)を作っていた職人が、キセルを入れる袋を作り始めました。 つまり袋物の最初は、“男性用”しかなかったのですね。当時女性は行動範囲が広くないので、風呂敷などがハンドバッグ代わりだったのではないかと思われます。」 そして少しづつ西洋から革もの文化が入ってきて、それを見よう見まねで作る職人たちも増えてきました。 ポルトガルから「金唐革(きんからかわ)」なども入り、高級感のあるものが登場してきました。また単なる「袋」から立体感のある「箱もの」へと、フォルムの変化も現れてきます。 そして時代は一気に昭和20年代へ。 終戦を迎えてのち、着物文化と洋服とが混在し、どちらの装いにも合うような「フォーマルバッグ」のバリエーションが増えてきます。かっちりしたがま口タイプのものが目立ちますが、今持ってもおかしくない程、クラシックでモダンなデザインが多いのも驚きです。 この時代はまだバッグデザイナーなどはいないので、それぞれの職人さんが自分が作りたいものを自由に作っていました。 「昭和30年代になると、『キネマ』の時代に入ります。西洋からの映画が人々の娯楽であり、またおしゃれのお手本になりました。スクリーンに映ったバッグを見ては、職人たちがその形を再現していたそうです。本人達はきっと何に使うか分からないのに、“ハットケース型”のバッグを作っている…なんていうエピソードも微笑ましいですよね。」 Part1はここまで。次回は昭和初期から徐々に高度経済成長期へと突入していきます。 ~~~~ ◆ご協力 (共に予約制) 袋物参考館(プリンセストラヤ)ツ黴 http://www.princessbag.com/princess-gallery 世界のカバン博物館(エース) ツ黴https://www.ace.jp/museum/ ━━━ KAWANOWAは、「革とオトナのいい関係」を作っていくサイトです。 革についての知られざる知識あれこれを、これからもお伝えしていきます。また次回もお楽しみに。 文責: CHIENOWAコミュニケーション 川崎