【職人コラム】私が「映像の世界」にハマッた理由

アトリエからの便り

みなさま、こんにちは。

財布や革小物を製造する、株式会社山万の山田康之と申します。社長である父、山田晴彦が2002年に独立してこの事業を立ち上げ、いまはOEMメーカーとして様々な著名ブランドの財布などを製作しています。

弊社では、革小物の肝である“磨き”や“漉き”といった、最近では少なくなってきた技術を地道に継承して、メイドインジャパンの真摯なものづくりを行っていると自負しています。

 


切り目部分に何度もコバ塗りをかける

 

そして、私自身は2年ぐらい前から動画や写真にハマり、自社商品をはじめ様々なシーンで映像関係を担当しています。

きっかけとしては、会社で商品写真を撮影する機会があり、「さてどのように撮れば良いか」とネットでいろいろ調べていたら、Youtubeでハウツー動画がありました。

 

勉強のために様々な動画を見ているうちにとても影響を受けたのが、こちらの「video channel よっちゃんさん」でした。(ワイエスイメージ運営(映像機材販売))

 

映像・天体写真を得意とするYoutuberさんで、天体写真とジンバル(手ブレしない映像のための機材)を使った映像に精通されている方です。現在は映像制作機材の販売を中心に、ジンバルを使った映像の普及やサポート、また映像制作をされています。

恐らく、この方の映像を見ていなかったら、自分はここまで熱中していなかったと思います。映像のクオリティーやカラコレ(色補正)の技術が素晴らしく、おひとりでこんなに素晴らしい作品を撮っているということに、大変影響を受けました。

 

そこを皮切りに、少しずつ機材を買いためながら、商品撮影や動画などを撮っています。最近では、自社工房で「アドバン落とし加工」の撮影を行いました。職人が指で一枚づつ、微妙に色を落としていく作業です。

 

ここ数年、YoutubeやInstagramなどのSNSを活用して、商品やサービスを積極的にPRしている企業が増えています。

またスマートフォンや一眼カメラの性能の向上、そして映像を綺麗に撮影できる機材の登場もあいまって、多額の宣伝広告費をかけなくても、高画質でクオリティーの高い映像が製作できる時代になりました。

 


野外シーンに活躍するカメラGoProから、カメラ付き三軸電動ジンバル、マイクなど様々な機材が並ぶ

 

素晴らしい技術で作られている商品や、革新的なアイディアを元にしたサービス、才能を持った若い人たちなどは多くいても、埋もれたまま知られていないという現実があります。

けれど、それを世の中にアピールする“壁”が低くなってきています。ぜひ、皆さんも新しい機器やSNSなども身近なアイテムを活用されてみてはいかがでしょうか。

私自身、映像や写真に魅了された一人として、自社の製品の魅力を伝えつつ、更に“革のすばらしさ”を積極的に世の中に広げていきたいと考えています。


ウインドジャマーを付けたマイクで録音しながら撮影中